|
ピアノソナタ ロ短調(Sonate, サール番号:S.178)は、フランツ・リストが作曲した唯一のピアノソナタである。 == 概要 == 1852年から1853年にかけて作曲され(初期稿はそれ以前にも書かれていたと考えられている)、1854年にブライトコプフ・ウント・ヘルテル社から出版、《幻想曲 ハ長調》への返礼としてロベルト・シューマンに献呈された(しかしシューマン自身はこの年の2月27日に自殺未遂を図って精神病院に入院したため、この曲を生涯聴くことはなかった)。初演は1857年1月27日にベルリンで、ハンス・フォン・ビューローによって行われた。 この作品が発表された当時、この曲の賛否は真っ二つに分かれ長い間激論が交わされた。シューマンの妻でヴィルトゥオーサ・ピアニストであったクララ・シューマンは、夫ロベルトの自殺未遂から間もない1854年5月25日の自分の日記に「ただ目的もない騒音にすぎない。健全な着想などどこにも見られないし、すべてが混乱していて明確な和声進行はひとつとして見出せない。そうはいっても、彼にその作品のお礼を言わないわけにはいかない。それはまったく大儀なことだ」と苛立ちの気持ちを書き残した〔ナンシー・B・ライク 高野茂訳『クララ・シューマン-女の愛と芸術の生涯-』425頁 音楽之友社、1986年〕。 またリストら新ドイツ楽派に批判的な音楽評論家のエドゥアルト・ハンスリックは、「ロ短調ソナタは、いつもむなしく動いている天才の蒸気製粉機である。ほとんど演奏不可能な、音楽の暴力である。私はいまだかつて、支離滅裂な要素がこれほど抜け目なく厚かましくつなぎ合わされたものを聴いたことがなかった。…この作品を聴いて、しかもなかなかの曲だと思うような人は、もうどうすることもできない。」と、新聞で酷評している〔Neue freie Presse, 1881年2月28日付〕が、現在では演奏者人口は増えた。 このピアノソナタの特徴としては、主題変容の技法によって曲全体が支配されていることが挙げられる。ある主題がその構成要素を基に変容され、粗暴であったかと思えば、次に出たときには美しい旋律になっているなどである。このような技法によって、楽曲全体が高い統一感を示している。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ピアノソナタ (リスト)」の詳細全文を読む スポンサード リンク
|